やまと百寺めぐり
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第2回 2019年04月11日掲載
遺徳しのぶ小野小町忌  帯解寺(奈良市)


帯解寺南側の駐車場にある小町之宮=奈良市

 日本最古の子授け安産霊場、帯解寺(おびとけでら)。本尊は木造子安地蔵菩薩半跏(はんか)像で、国の重要文化財に指定されています。
 平安時代の八五八年、第55代文徳天皇と染(そめ)殿(どの)皇后がこのお地蔵さまに子授け祈願をされ、第56代清和天皇を安産されました。喜ばれた天皇・皇后は伽藍(がらん)を整え、寺号を「無事腹帯が解けたお寺」として、帯解寺と名づけられました。
 毎年4月24日、寺では小野小町(おののこまち)忌(き)が営まれます。平安時代の歌人・小野小町をしのぶ法要です。江戸時代の『南都名所集』巻8には、同寺が掲載されている絵の中に「小町之宮」が紹介されています。現在ではその推定地(寺南側の駐車場)に小町之宮が建立され、小野小町像が安置されています。
 当日は14時から小町之宮の前で、一山の僧侶が出仕し法要が営まれます。法要のあと日本舞踊坂本流の名取・坂本晴(はる)千(せん)翠(すい)さんが「七小町の舞」の舞踊を本堂南側回廊で披露されます。
 春の陽気に包まれた一日、小野小町に思いをはせてはいかがでしょう。
【奈良まほろばソムリエの会 倉本尚美)】



■宗派 華厳宗
■住所 奈良市今市町734
■電話 0742-61-3861
■交通 JR帯解駅から徒歩約5分、またはJR・近鉄奈良駅からバス「下山」下車、徒歩約10分
■拝観 400円・秘仏公開中は500円
■駐車場  有り(無料)



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