やまと百寺めぐり
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第6回 2019年05月16日掲載
筒井順慶の菩提寺  伝香寺(奈良市)


順慶堂の筒井順慶座像

 現在の寺は天正13(1585)年、筒井順慶の菩提を弔うために母・芳秀尼(ほうしゅんに)が香華(こうげ)の絶えない寺院の建立を発願し開創されました。
 順慶は大和の戦国大名として激動の時代に波乱の生涯を送りました。
興福寺の官符衆徒(かんぷしゅと)(僧兵の代表)筒井順昭の子として天文18(1549)年に生まれましたが、わずか2才の時に父が病没し、家督を相続。
当時の大和は織田信長に従った松永久秀の勢力が強く、本拠地の筒井城を追われたりしながらも、一族や臣下に支えられ勢力を保っていきました。
天正5(1577)年、順慶は、信長に反旗を翻した18年来の宿敵久秀を信貴山城に滅ぼしました。この後、大和一国の支配を許され郡山に入りました。
郡山入城後も順慶は信長や羽柴秀吉に従って各地に転戦しましたが、天正12(1584)年36才の若さで病没しました。
現在の大和郡山市長安寺町に廟所が建てられ、五輪塔とその覆堂が残されています。
昭和58(1983)年、筒井順慶400年忌に、大和筒井家の子孫により、全国筒井氏同族会が結成され、筒井順慶座像と御堂が造立されました。以後子孫により筒井家の追善供養が続けられています。

【奈良まほろばソムリエの会 理事 石田一雄】



■宗派 律宗
■住所 奈良市小川町24
■電話 0742-12-1120
■交通 JR・近鉄奈良駅から徒歩約15分
■拝観 9時〜17時(隣接する幼稚園の行事があるときは拝観できません)
■駐車場  有(有料)



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