やまと百寺めぐり
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第40回 2020年01月30日掲載
御利益の証しずらり  宝山寺(生駒市)


石灯籠と献石が並ぶ参道=生駒市の宝山寺で

 生駒聖天の名で親しまれている宝山寺は、現世利益の中心的な場所として多くの人々が参拝に訪れます。もとは、7世紀ごろ修験道の開祖・役小角(えんのおづぬ)が般若窟で修行し、後に空海も修行したと伝えられています。1678(延宝6)年に湛海(たんかい)律師が中興開山しました。
 護摩堂様式の本堂にはご本尊の不動明王像を、檜皮葺(ひわだぶき)で風変わりな八棟造(やつむねづくり)の聖天堂には歓喜自在天(秘仏)が祀(まつ)られています。観光的寺院とは趣を異にし、密教寺院の厳かさが感じられます。
 江戸時代には皇室や将軍家、郡山藩、さらには住友家からの帰依もあつく、現在に至るまで幅広く信仰を集めています。
 参道にずらりと並ぶ石灯籠(いしどうろう)と献石は御利益の証しとして寄進されたものです。昭和の一大スター、高田浩吉や吉本興業の創始者、吉本勢(せい)の献石もあります。渥美清・松坂慶子主演の映画「男はつらいよ」のロケ地にもなり、また、「美しい日本の歴史的風土100選」(古都保存財団)に生駒山とともに選ばれています。
 3月第2日曜日に、ご本尊に国家安泰を祈願して大護摩供(おおごまく)が執り行われます。

【奈良まほろばソムリエの会 会員 津山進】



■宗派 真言律宗
■住所 生駒市門前町1の1
■電話 0743・73・2006
■交通 近鉄生駒ケーブル「宝山寺」下車、徒歩約10分
■拝観 拝観自由、無料
■駐車場 有(無料)



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