やまと百寺めぐり
< 第53回へ 第55回へ >
第54回 2020年05月28日掲載
多くの遺物「山の正倉院」  大峯山寺(天川村)


(右)純金菩薩坐像(左)純金阿弥陀如来坐像=いずれも大峯山寺提供

 大峯山・山上ケ岳の山頂に建つ大峯山寺(おおみねさんじ)は、天川村洞川(どろがわ)の龍泉寺、吉野町吉野山の竹林院、桜本坊(さくらもとぼう)、喜蔵院、東南院の5寺院が山頂にある宿坊とともに維持管理しています。
 2004(平成16)年7月にユネスコの世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の「大峯奧駈道(おくがけみち)」として登録され、お寺も構成資産となりました。
 わが国最高所の重要文化財のお寺で、修験道の根本道場です。
 明治時代の発掘調査で山頂の経塚から藤原道長の経筒など43点が出土し、大和金峯山山頂出土品として重要文化財となりました。
 1983(昭和58)年からの本堂の解体修理に伴う発掘調査中の1985(同60)年に、堂内内陣の地下から黄金仏(純金製の仏像)2体が出土しました。1体は阿弥陀如来坐像で、もう1体は菩薩坐像。これらは平安時代のものと思われます。他にも多数の遺物が発掘されました。
 山岳信仰にかかる経箱、経筒、銅板経、神仏像などはいずれも重要文化財に指定され、数々の出土品から「山の正倉院」と呼ばれています。

【奈良まほろばソムリエの会 会員 奥田八尋】



■宗派 修験道
■住所 吉野郡天川村洞川703
■電話 0747・64・0001(龍泉寺)
■交通 近鉄下市口駅からバス「洞川温泉」下車、徒歩約4時間
■拝観 明式(とあけしき)(5月3日)~戸閉式(とじめしき)(9月23日)の期間
■駐車場 無(登山口に有料駐車場あり)



トップページへ
COPYRIGHT (C) 奈良まほろばソムリエの会 ALL RIGHTS RESERVED.