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第45回 2017年11月30日掲載
宮中行事の霊水 ―― 奈良市の秋篠寺香水閣


香水井がある秋篠寺の香水閣(中央奥)=いずれも奈良市で

 平城京の北西部に奈良時代末に創建された秋篠寺。伎芸天立像(重文)、本堂(国宝)が有名です。東門近くにあるのが香水閣で、中に香水井と呼ばれる井戸があります。
平安初期の851(仁寿元)年以降、宮中からの使者が持ち運んだ香水井の「霊水」が、京都御所で正月に国の安泰を願う真言宗の大元帥(たいげん)法による祈とうに使われたと言います。1871(明治4)年まで1000年余り続いたとされます。
常暁(じょうぎょう)律師という僧が平安初期、香水井に大元帥明王の姿を感じ、その後、唐に渡って修得し、日本に伝えたのが大元帥法だそうです。
 秘仏大元帥明王立像(重文)をまつる大元堂、香水閣とも普段は非公開。一般拝観は毎年6月6日のみです。


【奈良まほろばソムリエの会 久門たつお】



秘仏の大元帥明王立像をまつる大元堂

■メモ■

近鉄大和西大寺駅北口から奈良交通「押熊」行きバスで約7分「秋篠寺」下車すぐ。
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