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第64回 2018年05月03日掲載
開かれた説法 ―― 法隆寺の夏安居


夏安居が行われる法隆寺の西室=斑鳩町で

広辞苑によれば、安居(あんご)とは雨、雨季の意であり、僧が一定期間遊行(ゆうぎょう)に出ないで、一カ所で修業すること。普通、陰暦4月16日に始まり7月15日に終わる。雨(う)安居・夏(げ)安居などという・・・・とあります。この時季は仏教が興ったインドの雨季にあたります。
 法隆寺(斑鳩町)では、聖徳太子が注釈したという「勝鬘経(しょうまんぎょう)」「維摩経」「法華経」の三経を講釈する夏安居が、毎年5月16日より8月15日まで、夏季大学などの期間を除いて、毎朝10時から11時まで国宝の西室(にしむろ)において行われています。
 夏安居は太子の遺言によると伝えられ、普段は僧が学ぶ場所を在家信者に開いています。また、誰でも気軽に参加でき、説法に触れることができます。経文が分かりやすく読み解かれ、「勉強すれば皆さんは菩薩(ぼさつ)です」と教えられ、うれしかったという多くの声が聞かれます。今年は「法華経」が講釈されます。

■メモ■ 法隆寺へはJR法隆寺駅からバス6分、近鉄筒井駅からバス12分です。


【奈良まほろばソムリエの会 柏尾信尚】

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