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第84回 2018年09月27日掲載
松永久秀の命日法要 ―― 王寺町の達磨寺


松永久秀の命日法要=いずれも王寺町で

 王寺町の達磨寺には戦国武将、松永久秀のものとされるお墓があり、今年は10月8日に「松永久秀命日法要」が営まれます。王寺町のマスコットキャラクターで聖徳太子の愛犬と称されている雪丸も参列します。
 達磨寺は「日本書紀」の片岡山飢人伝説が始まりとされます。聖徳太子が片岡山で助けた飢人が、達磨大師の化身だったと伝えられるようになり、達磨大師のお墓の上に創建されました。
 本堂の西側には、松永久秀のお墓があります。東大寺の大仏を焼いた極悪人のイメージがある久秀ですが、最近の研究で、それは江戸時代の儒学者によって創作された虚像ではないかともいわれています。達磨寺も久秀に焼かれた寺院の一つなのですが、なぜか久秀のお墓を守っています。
 お寺では、敵方であった筒井順慶が久秀の遺体をここに葬ったとも伝わっており、墓前で手を合わせば、久秀の真の姿に近づくことができるかもしれません。境内には雪丸の石像や「達磨寺古墳群」もみられます。

【奈良まほろぼソムリエの会 松永佳緒莉】



達磨寺本堂

■メモ■

JR王寺駅南口より徒歩15分。
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