ディズカバー!奈良
< 第103回へ 第105回へ >
第104回 2019年02月28日掲載
高台から町を一望 ―― 奈良市の重源上人の墓


重源上人の五輪塔=いずれも奈良市で

 東大寺は創建以来、何度も火災に遭い、特に1180年の平重衡の南都焼討では大仏殿を含む多くの伽藍が炎上しました。それを目の当たりにした重源上人は諸国を回って再建の勧進をし、幾多の困難を克服して鎌倉時代に大仏殿を再建されました。
 運慶作とされる写実彫刻の傑作、国宝の重源上人像は東大寺鐘楼の近くの俊乗堂に安置されていて、展覧会などにもよくお出ましになられます。
 ところで、重源上人のお墓はどこにあるのでしょうか。自らが開祖である北御門町の五劫院のすぐ東の道を北へ行き、右手にある三笠霊苑の急坂を登り、やや平坦になった辺りに東大寺の僧侶のお墓が並んでいます。その五輪塔のひとつが重源上人のお墓です。奈良の町を眼下に見るとても見晴らしの良いところです。

【奈良まほろばソムリエの会理事 松森重博】



お墓から奈良の町を一望

■メモ■

R・近鉄奈良駅より奈良交通バス 青山住宅方面行き「今在家」下車、徒歩3分で五劫院、墓はさらに徒歩15分ほど。
ディスカバー!奈良トップページへ
COPYRIGHT (C) 奈良まほろばソムリエの会 ALL RIGHTS RESERVED.