やまとの神さま
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第1回 2022年04月14日掲載
水の神祭る世界遺産  吉野水分神社(吉野町)


吉野水分神社本殿=右手前は境内社

 吉野水分(みくまり)神社は、山桜で有名な吉野山上千本の上方に位置しています。
 2004年には、ユネスコの世界文化遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成資産の一つに登録されました。
 楼門を入ると、右手に本殿、左手に拝殿、奥に幣殿(へいでん)があり、二つの回廊を含む6棟が重文に指定されています。
 本殿は三殿一棟造で、中央の正殿には天水分大神(あめのみくまりのおおかみ)、右殿には玉依姫命(たまよりひめのみこと)ほかの祭神、左殿には御子神(みこがみ)ほかの祭神が祭られています。
 正殿に祭られている天水分大神は水を分かち与える神で、右殿は子守宮、左殿は子守若宮として信仰を集めています。
 現在の社殿は豊臣秀頼が再建したもので、秀吉が子守明神に祈ったことで生まれたことに由来しています
 右殿に祭られている木造玉依姫命神像は国宝に、木造天萬栲幡千幡姫命(あめのよろづたくはたちはたひめのみこと)神像は重文にそれぞれ指定されていますが、ご神体ですので非公開です。なお、万葉集に詠まれた「み吉野の水分山」((7)1130)を青根ケ峰と考え、以前はその北斜面に鎮座していたと伝わっています。
 近くの花矢倉(はなやぐら)からは龍門山地を背景に、金峯山寺蔵王堂、中千本、上千本などを一望することができます。

(奈良まほろばソムリエの会会員 池内力)


(住所)吉野町吉野山1612
(祭神)天水分大神(正殿)
(交通)近鉄吉野駅下車。隣接のロープウエイ千本口駅乗車、吉野山駅下車。徒歩約90分
(拝観)境内自由
(駐車場)無料(2台程度)
(電話)0746・32・3012

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