やまと百寺めぐり
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第4回 2019年04月25日掲載
覚盛しのび「うちわまき」  唐招提寺(奈良市)


鼓楼からまかれる宝扇=奈良市で

 唐招提寺(奈良市)では5月19日に有名な「うちわまき」が行われます。
 この日は鎌倉時代の覚盛上人(かくじょうしょうにん)の命日です。上人は唐招提寺中興の祖と仰がれ、鑑真和上の再来ともいわれた高僧です。
 午後1時から講堂で中興忌梵網会(ちゅうこうきぼんもうえ)の法要、舞楽奉納が行われます。
 座禅中に上人の肌に止まった蚊をたたこうとした弟子に「自分の血を与えるのも菩薩行(ぼさつぎょう)である」と戒められた徳をたたえて、没後に法華寺などの尼僧が蚊を払うための団扇(うちわ)を奉納したことが始まりとされています。
 境内奥の中興堂では覚盛上人坐像を拝観することができます。
 午後3時から祈願のこもったハート型の宝扇(ほうせん)が国宝の鼓楼(ころう)から参拝者にまかれます。宝扇は雷難・火難などの魔除けとされ、農家では害虫除けにと苗代に立てたりされます。
 以前は参拝者が宝扇を争ってけがをする人もでたので、現在は安全のため配布のルールが定められています
。  午前9時から先着400人に参加券を配布、午後3時から鼓楼からまかれる宝扇を受け取れます。あと1000本は抽選券を配布、行事終了後、当選者を発表し配布されます。後日1本1000円で購入することもできます。

【奈良まほろばソムリエの会理事 石田一雄】



■宗派 律宗
■住所 奈良市五条町13-46
■電話 0742-33-7900
■交通 近鉄西ノ京駅から徒歩約10分
■拝観 8時30分〜17時、600円
■駐車場  有(500円)



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