やまと百寺めぐり
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第16回 2019年07月25日掲載
フェノロサゆかりの地  淨教寺(奈良市)


淨教寺の本堂前に茂るソテツ=奈良市上三条町

 三条通りに面した淨教寺門前では、行き交う外国人観光客らが立ち止まり、門をくぐって本堂やソテツをカメラに収める姿をよく見かけます。
 本堂前には樹齢約三百年ともいわれるソテツの巨樹が茂り、1株から25本もの幹が生え、樹勢の強さを感じます。県の保護樹木であり、奈良市指定文化財(天然記念物)でもあります。
 均整のとれた山門には動植物・渦・雲などが彫刻されています。瓦にも菊水紋が施され、かつての楠木氏とのつながりがうかがえます。
 寺の行事を知らせる掲示板舎が並んで立ち、傍に文化庁の登録有形文化財の石碑もあり、三条通りの歴史的景観スポットとなっています。
 今年も6月5日に、「フェノロサ記念講演会」が開かれました。明治21(1888)年、フェノロサが「奈良の諸君に告ぐ」と訴えた日。西山厚氏による明治以降の奈良の寺の文化財の行方についての講演でした。本堂いっぱいに椅子が並び、約百五十人の参加者が熱心に聞き入りました。

【奈良まほろばソムリエの会副理事長 小野哲朗】



■宗派 浄土真宗本願寺派
■住所 奈良市上三条町18
■電話 0742-22-3483
■交通 JR・近鉄奈良駅から徒歩約10分
■拝観 境内自由、本堂拝観は要事前申し込み
■駐車場 有(要許可)



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