やまと百寺めぐり
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第52回 2020年05月14日掲載
風鈴で魔除けと厄払い  おふさ観音(橿原市)


昨年開かれた「風鈴まつり」の様子=橿原市小房町のおふさ観音で

 正式名称は観音寺。1650(慶安3)年に比叡山北谷から本尊十一面観音をお迎えしたことに始まりますが、地元ではおふさ観音と呼ばれています。「おふさ」という娘が池のほとりを歩いていると、白い亀の背中に乗った観音さまが現れたので、小さなお堂を建ててお祀(まつ)りしました。観音さまは人々の願い事をかなえてくださる観音さまとして村人に厚く信仰され「おふさ観音」と呼ばれるようになりました。
 境内には恵比寿社があり久米寺(寿老神)、当麻寺中之坊(布袋尊)、信貴山朝護孫子寺(毘沙門天)、安倍文珠院(弁財天)、談山神社(福禄寿神)、長谷寺(大黒天)の七福神と大和国一之宮の大神神社をあわせた「大和七福八宝霊場」として、多くの人が参拝されます。七福神をお参りすると七つの災難が除かれ、七つの幸福を授かるとされます。
 例年7~8月に行われる風鈴まつりにも、多くの人が訪れます。境内一面に約2500個の風鈴が涼しげな音を奏でます。仏教では鈴や梵鐘(ぼんしょう)、太鼓などの音には、魔を除け厄を払う力があると言われます。

【奈良まほろばソムリエの会 会員 日野益博】



■宗派 高野山真言宗別格本山
■住所 橿原市小房町6の22
■電話 0744・22・2212
■交通 近鉄大和八木駅からバス「小房」下車徒歩約5分
■拝観 境内自由、本堂のみ300円
■駐車場 有(無料)



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