やまとの神さま
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第134回 2025年09月18日掲載
室町時代からの守護神   小泉神社(大和郡山市)


国重要文化財に指定されている小泉神社本殿=大和郡山市で


 小泉神社は大和郡山市のかつての小泉藩の陣屋の一角に建っています。祭神は素戔嗚命(すさのおのみこと)と誉田別命(ほんだわけのみこと)です。室町時代の明徳〜応永年間にこの地域の守護神として祭ったことが始まりです。
 本殿は一間社春日造、檜皮葺(ひわだぶき)で、室町時代末期の造営と推測され、国の重要文化財に指定されました。また小泉神社に伝えられる女神像は本殿よりさらに古い平安時代の作と推測され、市の指定文化財になっています。神社の表門は小泉陣屋の大手門を移築したもので、重厚な造りとなっています。小泉藩は賤ケ岳(しずがたけ)七本槍(やり)として名をはせた片桐且元の弟である貞隆が初代藩主となり、神社境内には末社として片桐神社が鎮座するなど、片桐家とのゆかりの深さが感じられます。
 毎年10月のスポーツの日の前日に秋の例祭が執り行われ、神事では、茶道でも有名な片桐家によって以前は献茶の儀が執り行われていました。午後からは字ごとの布団太鼓が境内で練り回った後、表門から階段を威勢良い掛け声とともに駆け下ります。その大変迫力がある様子を、氏子を始めとした多くの人々が歓声を上げて見守ります。その後、太鼓台は町内を回り、地元の人が到着を喜ぶ様子から、当社の崇敬のあつさがうかがえます。
(奈良まほろばソムリエの会会員 横山真紀子)


(住所)大和郡山市小泉町2333
(祭神)素戔嗚命、誉田別命
(交通)JR大和小泉駅下車徒歩約15分
(拝観)自由
(駐車場)あり(台数に限り有り)
(電話)0743・53・0233


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