国道169号の東、孝元天皇剣池嶋上陵(こうげんてんのうつるぎいけのしまのえのみささぎ)のある石川池(剣池)の西側にある住宅地の中、花園神社は小さな杜(もり)の木々に囲まれて鎮座しています。南向きに朱色の鳥居があり、少しの土の高まりに西向きの小さな祠(ほこら)があります。
ご祭神は神武天皇の皇后、媛(ひめ)蹈鞴(たたら)五十鈴媛命(いすずひめのみこと)。祠前に一基の石灯篭があり「延宝七巳未天(えんぽうななひつじどし)」(1679年)の文字が刻まれていますので、江戸時代初期には神社があったと思われます。
「奈良県高市郡古墳誌」によりますと、この地は「花園宮の塚」と言われ神武天皇の皇后媛蹈鞴五十鈴媛命の御陵と伝わります。今は神社の社域となっておりますが、元は四方に土塀を巡らし、その内側に松、杉、樫などの老樹がうっそうとして、実に荘厳で侵しがたい雰囲気であったようです。
一方「橿原市史」には、社域は頂上を削平(さくへい)された円墳状の形で、北側に堀があって1940(昭和15)年ごろまでは水がたまっていたようです。
その後、たびたび調査が行われたものの新しい記録は見つかっておりません。
古くから村人達が敬い祭ってきたこの地に神武天皇の御陵の方角を向いてひっそりと鎮座している感慨深い神社です。
(奈良まほろばソムリエの会会員 新森幸枝)
(住所)橿原市石川町348
(祭神)媛蹈鞴五十鈴媛命
(交通)近鉄橿原神宮前駅東口徒歩約5分
(拝観)境内自由
(駐車場)なし
(電話)なし
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