天岩戸神社は大和三山のひとつ天香具山の南麓(なんろく)に鎮座します。小ぶりな石鳥居をくぐって左(北側)に曲がる参道を行くと正面に拝殿があり、その背後は竹林になっています。当社には本殿はなく、拝殿よりご神体とされる磐座(いわくら)を拝する古い祭祀(さいし)形態を残す神社です。
四つの大石が組み合ったご神体は、「古事記」「日本書紀」の神話に記された天照大神が籠もられた天岩戸とされ、ご祭神は天照大神です。天照大神が天岩戸に籠もられた際に天鈿女(あめのうずめ)は岩戸の前でササを手に踊り、周りの神々がはやし立てて天照大神を岩戸より誘い出しました。ご神体を取り巻く竹は、往古より七本竹と称され、毎年7本生え、7本枯れるとの不思議な言い伝えもあります。拝殿には神話を描いた絵が奉納されており、参拝者はいにしえの出来事に思いを巡らせます。
天香具山は、もとは天にあってそれが降りてきたと伝わる、三山のうち唯一「天」の尊称の付くとりわけ神聖視された山です。山中には当社の他にも、天香山(あまのかぐやま)神社や国常立(くにとこたち)神社、伊弉諾(いざなぎ)神社、伊弉冊(いざなみ)神社などがあり、「月の誕生石」や「蛇(じゃ)つなぎ石」などと呼ばれる不思議な岩があちらこちらに見られます。天岩戸神社はこの神秘の山の南の入口を守る古社です。
(奈良まほろばソムリエの会会員 大江弘幸)
(住所)橿原市南浦町772
(祭神)天照大神
(交通)橿原市コミュニティバス南浦町下車、徒歩約5分 近鉄耳成駅下車、徒歩約30分
(拝観)境内自由
(駐車場)なし
(電話)なし
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