近鉄富雄駅から畑の残る住宅地を歩くこと約15分、こんもりとした標高150メートルの山の中腹に、添御県坐(そうのみあがたにいます)神社があります。
平安時代の神社一覧である「延喜式神名帳」では「大社」と記載され、創建は不詳ながら、古墳時代にさかのぼるとも言われます。
この神社は名前の通り、添下郡(そえしもぐん)(県北西部)にある御県(皇室直轄の畑地)に鎮座します。
覆屋(おおいや)のある檜皮葺(ひわだぶき)の本殿は、内部の壁面から見つかった墨書により、室町時代初期の1383(永徳3)年の建立で、国の重文。
社殿は西向きで、春分、秋分の日は太陽が生駒山の最もくびれた所に沈むのが見えます。これは古代の方位信仰の名残と考えられ、当地の人々の農作業の指標となったと思われます。
祭神の須佐之男命(すさのおのみこと)は、疫病退散のご利益があり、古来、病気平癒や健康維持を祈る人々から、厚く信仰されました。
拝殿の大絵馬には、明治12年に当地にコレラがまん延した際、人々が病魔退散を願い参拝する様子が、克明に描かれています。
10月第3日曜日の例大祭では、太鼓台や子供みこしが練り歩き、初詣には行列ができる、地域に根付いた神社です。
(奈良まほろばソムリエの会会員 新島弓美子)
(住所)奈良市三碓(みつがらす)3の5の8
(祭神)建速須佐之男命(たけはやすさのおのみこと)、武乳速之命(たけちはやのみこと)、櫛稲田姫之命(くしいなだひめのみこと)
(交通)近鉄富雄駅下車、南へ徒歩約15分
(拝観)境内自由
(駐車場)あり(無料)
(電話)0742・43・1428
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